〔
全員賛成〕
────────────── ◇ ───────────────
8 【
細谷委員長】 次に、諮問第1号
地方自治法第244条の4の規定に基づく
審査請求に関する諮問についてを議題といたします。
諮問第1号について、特に
提案者から説明はありますか。
9 【
小山企画経営室長】 本諮問は、
審査請求人から
地方自治法第244条の4第3項に規定する
指定管理者である
JN共同事業体が行なった
東久留米市立生涯
学習センターに係る
掲示物の受付の不承認に関する通知についての
審査請求があり、同条第4項の規定に基づき諮問するものでございます。
諮問書の3枚目、ごらんいただきたいんですが、「
地方自治法第244条の4の規定に基づく
審査請求に関する諮問について」をごらんいただきたいと思います。
まず、本
審査請求は、平成22年9月13日に提起されております。また、
請求人から
口頭陳述の求めがありましたので、同年12月22日に陳述を受けております。
続きまして、資料1をごらんください。
審査請求の趣旨及び理由ですが、まず、趣旨は3点あります。1点目は、本処分は、条例・規則の適用を誤り、かつ、
当該紙のどの文言が、処分の理由のどれに該当するか、具体的に示されずなされたものであるから、無効とするもの。2点目が、
公共施設の利用に関して、正当な理由のない
利用拒否を禁じ、かつ不当な差別を禁じた
地方自治法第244条、また、公共の役務の提供をひとしく受ける権利を定めた同法第10条第2項の規定にも抵触するとするもの。3点目が、憲法第21条が定める「表現の自由」に違反するとするものであります。
請求理由としましては、本処分の理由と挙げられた「特定の個人、法人、機関等を誹謗し、又はその名誉を傷つけるもの」、「公の施設の
政治的中立性について疑いを抱かしめるおそれのあるもの」、この2つの理由が生涯
学習センター条例第7条第3項第1号の「公の秩序を害し、又は風俗を乱すおそれがあるとき。」または同
条例施行規則第6条第2号の「特定の政党又は宗教の利害に係る活動で、
センターの設置の目的に反するおそれがあるとき。」のどこにも該当しないこと、また、条例第7条第3項第4号の「前3号に掲げるもののほか、
教育委員会が必要と認めるとき。」または規則第6条第3号の「前2号に掲げるもののほか、
教育委員会が適当でないと認めるとき。」からは、処分の理由を来たすことは不可能とするものであります。
それから、本処分の通知書には、決定に不服がある場合の
審査請求または
異議申立てができる旨の「教示」がないので、
手続違反であり、このことは住民の権利の行使に不利益を与えるものであり、かつ、住民を行政の客体として扱い見下す官尊民卑の思想、また、よらしむべし知らしむべからずとの
封建的態度と言われても決して言い過ぎではない。
処分庁が
行政機関の
代行機関として、その行為が
行政行為に参画するものとの
指定管理者としての
基本的認識の欠如と、それを監督する
教育委員会の
法令遵守の欠如、あるいは
住民無視の姿勢のあらわれと言うべきものであり、よって、
審査請求趣旨記載のとおり
本件処分の取り消しを求めるという内容であります。
こうした
審査請求の趣旨、理由に対しまして、まずは事実関係として認定事実であります。
生涯
学習センターは、
東久留米市立生涯
学習センター条例により設置された
地方自治法第244条第1項に規定する公の施設であり、
情報コーナーは
当該施設内にあります。
条例第3条は、
東久留米市
教育委員会に生涯
学習センターの
管理権を付与し、第7条は
教育委員会に生涯
学習センターの
施設使用の
承認権限を付与しております。
処分庁は、
自治法第244条の2第6項の規定に基づき、平成21年第4回
東久留米市議会定例会の議決を経て、
東久留米市公の施設の
指定管理者の指定の
手続等に関する条例第6条第2項及び
東久留米市
教育委員会が所管する公の施設の
指定管理者の指定の
手続等に関する規則第4条に基づき、平成22年4月1日から平成27年3月31日まで生涯
学習センターの
指定管理者に指定されました。同時に、
処分庁は、
自治法第244条の2第3項及び第4項及び
手続等に関する条例第9条第2号に基づき、生涯
学習センター条例第7条に規定する生涯
学習センターの
使用承認を行なうこととなりました。
また、
教育委員会は、条例及び
条例施行規則に基づき、
東久留米市立生涯
学習センター管理運営マニュアルを制定しております。
審査請求人は、
当該紙を
情報コーナーに配架するため、平成22年7月5日に「
東久留米市生涯
学習センター チラシ・
ポスター等受付票」を
処分庁に提出しましたが、
処分庁は、平成22年7月20日付で──これは資料2になります。生涯
学習センターに係る
掲示物の受付の
不承認通知を
請求人にいたしております。
その後、
審査庁は、
審査請求人からの
審査請求書を平成22年10月28日に受理しております。なお、
利害関係人が平成22年10月5日付で「
行政不服審査法第24条に基づく
参加人申請」を
審査庁に提出し、
審査庁は10月28日に
当該申請を許可いたしました。また、
審査請求人等が平成22年10月12日付で「審尋の
申立て」を
審査庁に提出し、
審査庁は、
当該申立てを
行政不服審査法第25条第1項に規定する
口頭意見陳述の
申立てとみなし、12月22日に口頭で意見を述べる機会を与えております。
次に、
審査請求に対する見解であります。
まず、
不服申立ての対象となる処分についてであります。
行政不服審査法第1条第2項は、「
行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に関する
不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。」と定め、同法が行政上の
不服申立てに関する一般法であることを明らかにしており、
自治法第244条の4の規定に基づく
審査請求も同法の適用を前提としております。
不服申立ての対象となる「処分」には、狭義の
行政処分のほかに、公権力の行使に当たる事実上の行為で、人の収容、物の留置その他その内容が
継続的性質を有する事実行為が含まれます。狭義の
行政処分とは、
行政庁の法令に基づく行為のすべてを意味するものではなく、公権力の主体たる国または
公共団体が行なう行為のうち、その行為によって直接国民の権利・義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものであると解され、また、事実行為とは、特定の
行政目的のために、国民の身体、財産に実力を加えて行政上必要な状態を実現させようとする行為を指すと解されております。
そこで、
情報コーナーの利用について見ると、公の施設の具体的な
利用権を認めることはできず、
本件処分は、チラシ、
ポスター等の配架の
申し込みに対する単なる不承諾の
意思表示にとどまるもので、そもそも狭義の
処分性も事実行為性も認められず、
不服申立ての対象となる処分には該当しないというものであります。
次に、
情報コーナーの
利用権についてであります。
自治法第244条第2項は、「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」と規定し、住民の公の施設の
利用権を保障しております。生涯
学習センターについて検討しますと、条例を見るに、
ホール、
集会学習室等は
条例別表の
施設区分に規定されておりますが、
情報コーナーについては、条例または規則に明文で規定されておりません。
ホール等は主に一時的に人が集まるための施設であって、
日本国憲法第21条に規定される集会の自由を保障するためにも必要な施設であることに対し、
情報コーナーについては、
処分庁が「本件における
掲示場所として問題となった『
情報コーナー』は、不特定かつ多数の市民等が出入りし視認しうる可能性がある場所に
掲示物を置く場所を提供することを目的とする施設(場所)であるという性質をもち、これは物理的に限られた空間内において、自らの意思で集合した者が利用する施設である『
ホール』又は『
集合学習室』と異なる」と主張するのは妥当であって、現在の状況については、
処分庁が、生涯
学習センターの集客数及び市民の利便性の向上を目的として、
施設案内書、市の
ホームページ等において
情報コーナーを積極的に案内し、施設内の
空きスペースの
有効活用を図っているものと認めるものであります。
すなわち、
ホール等とは、
情報コーナーとは立法的な性質や利用の態様等が明らかに異なることが認められ、
ホール等の利用については、公の施設の具体的な
利用権として認められることに対し、
情報コーナーの利用については、公の施設の具体的な
利用権としては認めることができないというものであります。
結びとしまして、
本件処分は、「処分」の定義には該当せず、単なるチラシ・
ポスター等の配架の
申し込みに対する不承諾の
意思表示にとどまるものであるとするものであります。
以上により、
本件審査請求については、
審査請求の対象外の行為を対象として行なわれた不適法なものであるから、
行政不服審査法第40条第1項の規定を適用の上、却下する裁決をすることが相当としたものであります。
10 【
細谷委員長】 これより諮問第1号に対する質疑を行ないます。質疑のある方は挙手願います。
11 【
桜木委員】
委員長、質疑というのは
処分庁に質疑できないけれども、
審査庁に質疑するということの建前でいいんですよね。
処分庁だれも来てないから。
12 【
細谷委員長】 そうですね。
13 【
桜木委員】 ちょっとその辺の整理をしていただければ。
14 【
細谷委員長】 暫時休憩いたします。
午前 9時54分休憩
午前 9時55分開議
15 【
細谷委員長】 再開いたします。
この範囲での質疑ということですので、今、
審査庁への質疑ということでお受け取りください。
16 【
桜木委員】 簡潔にちょっと聞いていきます。私の意見も含めて。今ほど室長からるる説明がありました。
1つは、
ホールと
情報コーナーが違うよという話があったんですけれど、極力論理的に話をしたいと思いますので、論理的に御答弁いただければと思うんですが、1つは、憲法第21条の表現の自由、これは議運に出していただいた「
市議会NOW」5号、これが1号から4号までは置かれて、何で5号がだめなのと。だめな理由は
名誉棄損だということなのかどうかね。弁明書及び市側、
処分庁が出した文書はそうなっていますけれど、そういうことでいいんでしょうね。憲法第21条の表現の自由からいったら、いろんな意味での表現の自由があると思うんですが、新聞や雑誌に意見を投稿したり、集会を開いたり、歌をつくって路上で歌ったり、昨今はブログや
ホームページね。当然、
ミニコミ誌の政治的な批判の自由というものも当然あり得ると思うんですね。特にマスコミであればそうでありましょうし。表現の自由の範囲だと私は思うんですけれども、まずその辺についてどうなのかということですね。これが1つ。質疑だということですから、表現の自由の範囲ではないかということです。これについてどうか。
それから、ちょっと私よくわからないんだけれども、「処分」とは、
行政庁の処分は、行服法第4条(処分についての
不服申立てに関する
一般概括主義)で「
行政庁の処分に不服がある者は、」ということで書いていますが、「処分」というのは、承認、不承認、保留が「処分」ではないんですか。どうも論理的に物事を考えていくと、「処分」に該当しないというので書いてあるんですけれども、これはどうなのかなと。これが2つ目。
次、行きます。憲法第92条で
地方自治をうたって、その
地方自治の本旨に従って
地方自治法がありますね。
地方自治の本旨に従って
住民福祉の向上ということから
地方自治法第244条(公の施設)がありますよね。ここまでは共通すると思うんですが、(公の施設)があって、すなわち、「
普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。」と、こうありますね。すなわち、すべて
住民福祉向上ということですね。その観点からいうと、先ほど、
情報コーナーと
ホールの目的が、表現の自由も絡めてちょっと違うよと。だから「処分」に該当しないよというそちら側の論理ですけれども、公の建物という概念からいったら、生涯
学習センターは全部トータルでしょう。その建物全体をして生涯学習に寄与しているのではないんですかね。だから、そういう
すみ分けというか、そちら側の論理はいかがなものかというのが3点目。
それからもう1つは、ここがよくわからないんだけれど、
審査請求は却下ですよね。
処分庁は棄却を求めているんですね。棄却を。この違いは何なのか。
それから、よしんば、さっき言いましたけれど、1号から4号が置かれていて5号はだめよというのは、これでいくと
名誉棄損に当たるというわけでしょう。5号の「不勉強・
調査不足」、「借金ゼロを目指せ
宮川豊史議員(無)」というのが
名誉棄損に当たるというんだったら、よくわからないのは、この
経過報告を見ますと、御当人が
名誉棄損だと訴えたのか、それとも、ここに書いてあるように教育長──マイクを通して
処分庁の皆さんも聞いているかもしれませんが、
経過報告の中で、生涯
学習センターの規則に該当するからだめよというんでしょう。それは
処分庁の生涯
学習センターが判断をしたのか、それとも生涯
学習センターをつかさどる委託側の
教育委員会が判断したのか、そこがよくわからないんですよ。私ごとで恐縮ですけれども、私も
名誉棄損裁判で2007年からやってきまして、司法の場で
名誉棄損が認められました。
名誉棄損というのはやっぱりどこかで客観的に判断しないとだめだと思うんですよね。ここには
名誉棄損だというんだけれど、だれが
名誉棄損と判断したのか。公序良俗に関することなのかどうなのか。どうもよくわからないのは──わからないというのは、「処分」とは何かということを含めて、
処分庁の判断と、そちら側の、要するに
審査庁の判断が違うんですけれども、これはどういう理由なのか。そこが、私、これをずっと見ていてよくわからない。それは特段、
馬場市長が何かお考えがあって、裁判長としてのお考えがあるのかどうか。
17 【西川総務課長】 まず、今、総括的なところで、「処分」のところで、
処分庁が棄却、それから
審査庁が却下と、この辺のところの違いということのほうからお答えしたいと思いますけれども、諮問書にもございますとおりなんですけれども、私ども
審査庁は、今回の
処分庁が申している「処分」ということについては、いわゆる
処分性がない。
処分性、今回の通知ですね、今回、
処分庁が7月20日に出した通知でございますけれども、その通知については
処分性がない。これは、諮問書の3枚目の「8
審査請求に対する見解」、ここからるる書いてある部分なんですけれども、ここで
審査庁は今回の案件は
処分性を認めてない、ここが一つのポイントになります。この
処分性がないというところの理由は、ここにございますように、1つは、
情報コーナーが条例に規定をされていない。先ほど委員がおっしゃったように、確かに生涯
学習センターというのは一つの建物でございます。その建物の中に
ホールとか集会室、それからこの
情報コーナーもあります。ただ、その中で、集会室や
ホールのように明文に、条例に規定されていて、一般的に市民の皆様に提供している施設と、この
情報コーナーとは、規定の問題でありますとかそういったところで明らかに性質が違うんだと。もともとは、「処分」ということに対しては、
ホールとか集会室、こういったものに対して利用の承認権を付与するか否か、この辺のところが「処分」を伴うもの。したがいまして、今回、
審査庁は、この
情報コーナーはそういった性質の違いから、この部分については違うので
処分性がない。だから、
審査庁は却下をいたしました。一方で、
処分庁は、そこの部分についてあくまでも「処分」の一環として出したよと。ここのところでの違いだということでございます。
18 【
小山企画経営室長】 憲法の関連でございますが、表現の自由というところでございますが、
東久留米市立生涯
学習センター条例、第7条第3項第4号、それから同
条例施行規則第6条第1項第3号があります。これについては、市民の生涯学習の促進及び振興を目的として
掲示物の
情報コーナーへの掲示を制限するにすぎませんと。こういった中で、特に表現内容を規制するものではなく、他の場所や方法での表現を何ら制限するものではないと。公共の福祉のため、表現の自由に対し許された必要かつ合理的な制限は許容されるというふうに考えてございます。
19 【西川総務課長】 それからもう1つ、「処分」の関係でもう1点質問があったと思うんですが、
処分性ということについて、公権力の行使ということで、今回で言えば
処分庁が法律等に基づいて相手方に「処分」に対して明らかに権利を侵害するといったような行為ですね、そういったものがあるか、ないか、これが先ほどのもう1つの質問の部分です。
情報コーナーのところの問題に関して「処分」、今申し上げたように公権力の行使、公のほうが権力に基づいて相手方に一定の制限を課す、こういったことが「処分」の概念でございます。ですから、今回、そこのところで先ほど言った
情報コーナーとの違いを判断いたしております。
20 【
桜木委員】 時間が25分ということなので、私もなるたけ簡潔にわかりやすいような質問をしているつもりなんですが、単純な話、
処分庁と
審査庁の判断が違ったでしょう。
審査庁はなぜ
処分庁が求めているのに実質議論をしないで却下したのという単純な質問なんですね。却下というのは、原告適格であるかどうかでしょう。ちなみに、私も、池田さんが昔、私の
名誉棄損裁判で、高裁判決を「表現の自由だ」という理由で最高裁に出しました。最高裁の判断は、「本件上告を棄却する。上告費用は上告人費用とする」と。ここで、棄却する場合は一応議論はしているんですよね。しかし、法的になじまない。要するに、「民事事件については、最高裁判所に上告することが許されるのは民訴法第312条第1項または第2項所定の場合に限られるところ」云々と続くわけですよね。これは私ごとですけれども、そういう議論があったということですね。そうすると本件の場合は、
処分庁が「不承諾の
意思表示にとどまるものである」としながら、不承認を出して──書いてあるでしょう、そこに。棄却を求めているでしょう。しかし、
審査庁は却下したわけでしょう。要するに、門前払いをしたわけですよ。それは何なのと聞いているんですよ。それは何なのか端的に言ってください。
21 【西川総務課長】 却下した理由でありますけれども、確かに
行政不服審査法上では、今お話にあったように却下という場合は門前払いというような意味合いのことが述べられておりますけれども、本件に関しては、
不服申立ての利益、
請求人の
不服申立てに関して利益があるかどうか、その判断にやはり意見の相違が考えられる。こういった場合には、議会の意思を、あるいは意向を無視して判断できるかということは疑問があります。議会に諮問することが
自治法上規定されております。ですから、私どもだけが、いわゆる
審査庁だけが独自の判断をして却下するということについては、今回の案件は、今申し上げたように
不服申立ての利益の有無、そういった視点から見ても、議会のほうにきちんと諮問を申し上げて、そこで判断を、意見をいただく。これが今回の却下なのに諮問をした理由でございます。
22 【
桜木委員】 それはおもしろい判断ですね。議会に諮問するということは、諮問をして意見を求めて、ひっくり返るということもあるということですか。私、初めて聞いた。議会に意見を求めるので、あえて実質審議をしないで
処分庁は却下という判断をしたということですか。それは行服の何条ですか。ちょっとよく聞いてください。時間も、私、もう30分ぐらいここで使っているので、こちらの意図する質問をよく聞いていただいて御答弁いただきたいんですが、今ほどの答弁は、議会に諮問するという、それは244条の4の関連でそうなっていますけれども、諮問する以上は、議会の意見を聞いて、その議会の意見を参考にしてもう一回考えるよということですか。それは審査に入りますよ。
23 【
細谷委員長】 行政側は簡潔に御答弁ください。
24 【
小山企画経営室長】 今回、諮問を議会にお願いしていますのは、基本的に
自治法上によるものであるということと、今の、仮に諮問して、私どもが却下の裁決をした、これについての議会側の意見、その答申、こういったものは基本的には尊重されるべきというふうに考えてございますが、必ずしもその結果について常に絶対的に長はその結果に拘束されるものではないという考えもございます。
25 【
桜木委員】 長が拘束されるものではないというのは、
処分庁の長ね。それはすなわち市長ですよね。
審査庁の話をしているんですか。あ、失礼しました。
審査庁ね。ここは
審査庁の議論だ。
審査庁の長が拘束されるものではないというのは、答申が拘束されるものではないと言っているんですか。的確に答えてくださいよ。前提条件として、私は、公の施設全体が生涯学習に寄与するものではないかと。だから、
情報コーナーも表現の自由も
ホールの使用も、あれは一体化なものではないかと、こう言っているわけ。皆さん方の理屈は、違うよと言っているわけね。それはいいの。そのことの議論はしません。考え方の違いでしょうから。そうすると、
ホール全体の中で
情報コーナーが違うので、
ホールと集会目的のは違うので、
情報コーナーの箇所については不承認だよと。そこでさっき聞いたのは、不承認、承認、保留というのは「処分」でしょうと。課長はさっき
処分性がないと言った。
処分性がないと言いながら、不承認なの。その
処分性がないと言いながら……。
26 【
細谷委員長】 傍聴者、静かにしてください。
27 【
桜木委員】
処分性はないと言いながら「処分」しているわけですよ。概念として「処分」の中身というのは、不承認、承認、保留というのが「処分」ではないですかと。違うのか、違わないのか。
28 【西川総務課長】 私どもの見解は、不承認の「処分」ではなくて、これは不承認の「通知」であるというふうに判断をいたしております。それは先ほど来申し上げているように、
処分性がないということからして、この通知は不承認の通知にとどまるという見解でございます。
29 【
桜木委員】 行服法の第2条を見てくださいよ。「この法律にいう『処分』には、各本条に特別の定めがある場合を除くほか」と。行服法第2条以外に、では、特別の定めがあるんですか、今あなたがおっしゃった。少なくとも公権力の行使に当たるわけですよ。そうでしょう。そうすると、「処分」の中身については、承認、不承認、判断をするわけですから、保留、いいよ、悪いよ、だめよと。同じか。それは「処分」なんですよ。「通知」というのは
行政行為なんですか。そう言っているんですか。「処分」の概念をきちんと言わないで、不承認は「通知」だなんていうふうに言ってはだめですね。
30 【西川総務課長】 今回の
審査庁の判断は先ほど来申し上げているように、私どもの見解は、今回のは
処分性を認めておりませんので、その結果として不承認の「通知」であると、こういうふうに申し上げているわけですね。その
処分性がなかったということの判断の見解は先ほど述べたとおり、また、さっき申し上げたように諮問書の8の項目のほうにも「処分」についての見解を述べておりますので。
31 【
細谷委員長】 お静かに願います。発言は許されていませんので、傍聴者の方、静かにお願いいたします。
32 【
桜木委員】 今ほどの話は延々と続くし、どうせ議論がまた
処分庁のほうにくみしていきますので、この辺で私もとめ置きますけれども、今、私が聞いているのは、どうも論理的に
処分庁が求めている結論と今回
審査庁が出した結論ね、「結語」ですよ、そこに乖離があるんですね。その乖離がどういう理由なのかなと。そう言ったら、あなたのほうは、議会側の意見を聞いて判断をしたいと。したがって、そういう結論に達しているんだと、こうおっしゃいましたよね。でしょう、さっき課長の話はね。議会側に諮問をして20日以内に結論を出すと、こういうことだと思うんですが、でしょう。そうすると、ここに出ている今議題になっています「
本件審査請求を却下する。」ということについては、これは
審査庁としての今段階の結論と。この「結語」というのはそういうことですか。それはね、諮問の議論としてはおかしくなりますよ。違いますか。
33 【
小山企画経営室長】 今回、
審査庁としてこういう裁決をいたしましたと、この内容についての部分について諮問をしているとことでございますので、相談をしているということでございますので、その中で議会の判断といいましょうか、意見、答申と、こういったものは当然20日以内にいただくということになるかなと思います。
先ほども申し上げましたが、基本的に、行政実例の中でも、議会の答申意思は尊重されるべきであるが、必ずしも常に長はそれに絶対的に拘束されるものではないとされておりますので、御理解いただきたいと思います。
34 【
桜木委員】 ちょっと堂々めぐりの感があるんですが、もう一回聞きますね。私ももう40分を使って
委員長に申しわけない、ほかの委員も質問したいのに申しわけないなと思っているんですが、諮問第1号の最後のページ、ちょっともう一回開いてくれますか。「
市議会NOW」そのものが表現の自由の範疇なのか否かということは、私は表現の自由だと思うんですね。私の意見は、ここで
名誉棄損があるならば
名誉棄損をきちんと訴えればいいわけですよ。司法の場で確認すればいいわけ。当事者がそう意見したのか、教育長がそういう判断をしたのかとなると、これはまた
処分庁の議論になりますからやめますけれども、その上で、諮問のこの「結語」のところに「
本件処分は、前記(1)に示した『処分』の定義には該当せず、単なるチラシ・
ポスター等の配架の申込みに対する不承諾の
意思表示にとどまるものである。」と。ここで言う「処分」というのは、処分の定義に該当しないというのは、
審査請求の相手にならないよと、こういうふうに解釈するのか。私は、不承諾の
意思表示というのは「処分」の中身ではないのと、
行政行為として「処分」ではないのと、こう聞いているんです、一貫して。そこの話がないから先に行かないの。いいですか。「処分」というのは、さっきあなたは行政通知は「処分」ということの言い方をしたけれども、「処分」というのは
行政行為なんですよ。それは、保留、考えをとめる、承認、不承認、これは「処分」でしょう。しかし、
審査庁は却下なんですよ。公権力の行使に当たっていますよ、これは。「処分」なんですよ。
35 【
小山企画経営室長】 先ほども説明申し上げましたが、「処分」には、狭義の
行政処分のほかに、公権力の行使に当たる事実上の行為で、人の収容、物の留置その他その内容が
継続的性質を有する事実行為が含まれます。狭義の
行政処分とは、
行政庁の法令に基づく行為のすべてを意味するものではなく、公権力の主体たる国または
公共団体が行なう行為のうち、その行為によって直接国民の権利・義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものであると解され、また、事実行為とは、特定の
行政目的のために、国民の身体、財産に実力を加えて行政上必要な状態を実現させようとする行為を指すと解されております。
そこで、
情報コーナーの利用について見ますと、公の施設の具体的な
利用権を認めることはできません。
本件処分は、チラシ・
ポスター等の配架の
申し込みに対する単なる不承諾の
意思表示にとどまるもので、そもそも狭義の
処分性も事実行為性も認められないということで、
不服申立ての対象となる「処分」には該当しないというものでございます。
36 【
桜木委員】 それは一貫した論理で来ているわけですよね。そこで私が聞いているのは、では、1号から4号は置いておいて、5号だけだめだったのかと。5号をだめだというわけでしょう。1号から4号を検閲されて、1号から4号もおかしかったよと。だから5号もだめだったというのか。こういう議論になれば、
処分庁の判断になるわけですよね。だから私は聞けないんですけれども、では、
審査庁として
処分庁に対して、「1号から4号は置いたけれども、5号はなぜだめだったか」という問い合わせはしたんですか。
その上で、あなたがおっしゃっている
情報コーナーにとっては、これを置いてはふさわしくないと。
審査庁としてはふさわしくないという判断をしたのなら、本件の却下というのはなじまないよ。論理性が合わないですよ。
37 【
小山企画経営室長】 1号から4号までという話が出ましたが、あくまでも今回の
審査請求は5号についてでございます。
それから、各種の
掲示物、これらについては、この生涯
学習センターだけでなく、各所管で当然その内容・中身は見て判断しているということで理解してございます。
38 【
桜木委員】 わかったことは、
情報コーナーと
ホールは違うよと。しかしながら、それの表現の自由ということに関しての御答弁はないんですね。
審査庁としてそれも表現の自由の一環なのか否かということについての御答弁はない。もし答弁があらばしてください。
その上で、この「結語」の、「処分」の定義には該当しないよと今ほど室長は言われましたが、私は、不承諾の
意思表示というのも「処分」の中身だと。これ、行服の相手が「処分」の該当にしないよと言っているのかもしれないけれども、
処分庁が行なった行為については「処分」。
処分庁が行なった不承諾という行政通知もやっぱり私は「処分」だと思いますよ。明らかに、
本件審査請求を却下するわけですから門前払いなわけですよ。門前払いなわけなのに、
処分庁に対してどういう審査をしたのかというのもよくわからない。
39 【
細谷委員長】 見解ございますか。
40 【
桜木委員】 答弁できないでしょう。いずれにせよ、この「結語」と、それから棄却、棄却から却下と。棄却を求めていて、こちら側が却下したわけですから。その理由は議会の意見を聞きたいと、そういうことでしょう。集約された答弁はね。そうすると、私は、
審査庁としての却下というのがなぜ却下なのかなと思うんですけれども、その辺の含みが何かあるならばお答えいただければと思います。いずれにせよ、私も40分使っていますからこれで終わりますけれども、今回の流れがよくわかりません。いかがですか。
41 【
細谷委員長】 簡潔に御答弁願います。
42 【
馬場市長】 「処分」のことに関して、ただいま委員のほうからはそういった概念的な考えとしてそういうお考えというものを示されたということは、それは……概念的に私は示されていると考えております。
先ほど来、狭義の
行政処分、そしてそういった事実行為、そういったものに関して、これは
行政不服審査法という法に基づいて出されてきたものに対して、法的解釈、そういったことも、総合的にそういったものを検討させていただきながら、それは法的な解釈、そしてその「処分」に対しての行為というものを先ほど来申し上げているものでありますので、そこの中には、これは再三になりますけれども、狭義の
行政処分ということ、そして、その
行政処分と事実行為のことについては先ほどから再三申し上げさせていただいております。本件の「処分」に関しては、先ほど来これも申し上げていますけれども、この「処分」に対して、これは結果的にはこの一番最後のところになりますけれども、
審査庁としては、これはこの「処分」の定義には該当せず、単なるチラシ・
ポスター等の配架の
申し込みに対する不承認の
意思表示にとどまるものであるということで、この
審査請求の対象外の行為を対象として行なわれたこういったことに関しては、
行政不服審査法第40条第1項の規定を適用の上、却下ということで判断させていただいたということでありますので、ここは先ほど来申し上げていますように、「処分」の定義には該当せずということでありますので、
審査庁の見解としてこういうことを申し上げさせていただいているわけです。
43 【
桜木委員】 今、「処分」の定義に当てはまらないというんですけれど、「処分」とは何ですか。
44 【
馬場市長】 先ほども申し上げていますように、
不服申立ての対象になる処分には、狭義の
行政処分のほかに、公権力の行使に当たる事実上の行為で、人の収容、物の留置その他その内容が
継続的性質を有する事実行為が含まれると。狭義の
行政処分とは、
行政庁の法令に基づく行為のすべてを意味するものではなく、公権力の主体たる国または
公共団体が行なう行為のうち、その行為によって直接国民の権利・義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものであると解される。また、事実行為とは、特定の
行政目的のために、国民の身体、財産に実力を加えて行政上必要な状態を実現させようとする行為を指すと解されておりますというふうに、
審査庁として解しております。
45 【
細谷委員長】 まとめてください。
46 【
桜木委員】 はい、終わります。いずれにせよ、市長は今、40条をお読みになったのかな。その前段で、定義としては、第2条が「この法律にいう『処分』には、各本条に特別の定めがある場合を除くほか、公権力の行使に当たる事実上の行為で」と書いてあるんです。すべからく、公のおやりになることは公権力なんですよ。行使。それが、市長の判断はちょっと私とは違いますな。いずれにせよ、長々私も質問しまして、わかったことは、随分論理矛盾があるなということがわかりました。
47 【富田委員】
審査庁の裁決の中だけでしか審査できないということですので、私も
桜木委員が今指摘をされた点がずっとちょっとよくわからなくて、
処分庁は棄却を求めているわけですから、
行政処分をしたというふうに現場は認識をしているんですよね。
審査庁は、これは公権力の行使ではないということなんです。今、御説明も、要は、条例または規則に
情報コーナーが明文化されていないから、これは公権力の行使ではないということなんですが、私、それがちょっとよくわからない。普通に考えて、先ほど指摘があったように、「生涯
学習センターに係る
掲示物の受付の不承認について」という通知を出しているということは、他の集会施設同様、市民の人が申請をして承認を受けるわけですから、なぜこの
情報コーナーだけは公権力の行使ではないということが言えるのかというのはよくわからないので、改めて伺いたいんですけれど、私、短期間でしたけれど、いろいろ調べて、いわゆる定型的で権力性が薄い
行政処分というところには入らないんですか。
48 【西川総務課長】 公の施設の利用に供する場合ですが、
自治法の規定が、先ほど来お述べになられているように条例で定める必要があるわけなんです。その条例規定の中で、今回、
情報コーナーというのは定めがないわけですね、委員もおっしゃっていましたように。先ほどからありますように、一つの建物の中で当然
ホールとか集会室、そういったところが条例に定めがある場所で、例えば壁の掲示であるとか、それから空間の一般的な、条例に定めがないような場所の利用に供する場合に、これは施設管理者として当然適切にその施設を管理するという役目があるわけで、その一環として、今申し上げたように、条例規定のない部分については、施設管理者が適正管理という視点からある程度の裁量権を持ってその管理に努めていくと。そういう点で、今回、この
情報コーナーも、私ども
審査庁はそれに該当するんだと、そういった見解を示したわけでございます。
49 【富田委員】
処分庁は棄却ということは、公権力の行使をしたという認識なわけでしょう。そこがね、私、よくわからないんですよ。
処分庁はあえて公権力の行使が正当だったんだという主張でしょう。だけど、
審査庁はこれは公権力の行使ではないと。
行政処分ではないという、何で現場ではそういう認識をしたのに、要は施設の管理の裁量権の中でそういう判断をしているのに
審査庁がそういう判断をするのかというのが、どうしても私、理解できない。これは
行政処分ではないというのは、条例に明文化されていないからといって、実態としてそういう申請・承認のものがあることについて、これは公権力の行使ではないというふうに言い切ってしまって大丈夫なんですか。
50 【
馬場市長】 これは行政として市長部局があり、
教育委員会があり、そして予算的にも、あと議会事務局、監査、選挙管理
委員会と、そういったところも行政というふうに今とらえての発言なのかなというふうに思います。今回、
処分庁として
教育委員会が「処分」したことに対して、これは確かに一体的な行政体というとらえ方をされるかもしれませんが、今回、
処分庁が出した「処分」に対して、また、その
不服申立てをされた
審査請求人からの請求があり、それを
審査庁として審査させていただいておりますので、
教育委員会のほうでこの一連の「処分」というものに対して、
処分性というものを
審査庁としては認めていないということでこういった判断をさせていただいておりますので、これは
審査庁としての見解であります。
51 【富田委員】 市長がおっしゃりたいのは、
処分庁は
処分庁で、
審査庁は
審査庁だから、今、
審査庁の審査だから、そこに絞れというお話なんでしょうけれど、
行政処分ではないから却下をするということであるならば、
口頭意見陳述、反論書とかそういうのは、どうしてこういうふうに手続を踏んできたのか、どういう理由からなのかちょっと教えていただきたいんですけれど。
52 【西川総務課長】 行政手続上こういう経過をということですね。これは先ほどもちょっと申し上げましたように、まずは
請求人の
不服申立ての利益があるのか、ないのか、ここが大事なところだろうと思ったわけですね。当然、その利益ということについて、まずはそれを受理し、それで審査をしていったわけです。今回、却下というのは、審査の過程の中で結果として私どもは却下という判断をしたわけですから、初めから要件が不適切であるとか、先ほどの
桜木委員のお言葉をかりれば門前払い、こういったことではなかったわけです。法律上、
行政不服審査法上の却下は確かにある意味門前払いなんですが、これは先ほど室長も申し上げたように、そういう法律上の却下ということはありますけれども、
審査庁としては、繰り返しになりますけれども、やはり
審査請求人の利益があるのか、ないのか、こういったことに関して基本的に判断が難しい場合には、当然それを受理し、審査の過程ということを踏まえて、それが結果として却下だったと、こういうことでございます。
53 【
細谷委員長】 質疑の途中で大変申しわけございませんが、ここで、時間を1時間過ぎておりますので、休憩に入らせていただきます。
午前10時37分休憩
午前10時50分開議
54 【
細谷委員長】 再開いたします。
55 【富田委員】 今ずっと議論をしていて、やっぱりちょっとわからないなという感じがしているんですね。結論では、
審査庁は、
情報コーナーについては
利用権がないんだという結論を出されているんですけれども、私とは若干見解が違うんですが、そういう結論を出したと。これ、もう実に単純明解な話にもかかわらず、先ほど申し上げたように
口頭陳述が行なわれて、それを聞いた上で
行政不服審査法上の却下になったんだという経過がわからなくて、最初に
審査請求が出てきたときに、
利用権がないという、そういう決断があれば、そういう手続というのは行なわれないのではないかなって私は思うんですけれども、市長が受け取った時点で
利用権がないから却下だというふうにしなかった、あえて
口頭陳述を行なったというのは、何か理由があるんですか。
56 【
小山企画経営室長】
審査請求を受けて、それぞれの審査をしてきた過程を経ておりますので、ある意味、先ほど申し上げた
審査請求人の主張というか、そういったものも含めていろいろ聞き取りの中で、それぞれその過程の中で今回の判断に至ったということでございます。
57 【富田委員】 そうなると、結論として
審査庁は
利用権がないというところで
行政不服審査法上の却下をしたということです。
利用権がないということは、見解は違いますけれども、
利用権がないというのは単純なんです。あえて
口頭陳述を聞くということは、その一連の経過を
審査庁側が聞き置くわけですから、その審査を経て
利用権がないという結論に結びつくのが私は不自然ではないかなと思うんですけれど、いかがですか。
58 【
小山企画経営室長】 今回の
審査請求は結構まれな件だと思います、はっきり申し上げて。本来ですと、
ホール、集会室、これらは条例に基づいて、その申請に基づいて特定の者が利用すると。そこに
利用権が発する。今回の
情報コーナーというのは、あくまでも公の施設内の
情報コーナー、いわゆるオープンスペースですので、不特定多数、どなたも利用できるといったところでは、その
利用権は発生しないというふうに考えてございます。
59 【富田委員】 だから、
利用権がないんだという判断を
審査庁が結果としてされたわけですけれども、それであるならば、最初から
利用権がないんだから、そもそもお話は聞きませんよと。
行政不服審査法上の却下というふうになるわけで、
処分庁も
処分性を認めているわけで、当初は
審査庁も
処分性を認めていたということになりかねないと思うんですが、いかがですか。
60 【西川総務課長】 先ほど来申し上げましたように、最初の段階でそこのところまでの見解には実際至ってないんです。それから、
口頭陳述まで至った経過も、その時点で
行政不服審査法上の
口頭陳述の──25条ですか、その条項に照らして、その時点では当然、
口頭陳述の申し出も受け付ける立場だったものですから、その辺の経過を踏まえての「結語」ということになります。
61 【富田委員】 いろいろ聞いた上で経過を踏まえて結論が出されて、その結論が
利用権がないというところに結びつくのが不自然だという思いなんですよ。だって、
利用権がないんだったら、そもそも手続が要らないわけですよ、
利用権がないんだから。「
利用権がありませんよ」と。
情報コーナーに物を置く、置かないの部分で
処分庁からもこういう棄却の申し出が出ていたわけですから、そこがね、私、どうしても理解できないんですよね。結論と入り口と経過と時系列で追っていっても理解に苦しむなというふうに思います。私は、その
利用権を認めた上で
審査庁が判断するべきだったのかなというふうに思います。
62 【白石委員】 非常に単純なことをちょっと伺いたいと思います。今までの議論も、私もちょっとひっかかっていたところなので、ますますよくわからなくなったなというところも実はあるんですが、
処分庁のほうがこうした形で申請というか、「
情報コーナーのほうに置いてください」と言ったにもかかわらず、
不承認通知のほうを出していらっしゃいますよね。これは
処分庁が独自に判断したのか、あるいは、そこに指示を出したのは
教育委員会ではないかという感じで一部書かれているところもあるんですけれど、この点についての事実関係はいかがでしょうか。それが1点目です。
2点目なんですけれど、私も、
利用権というのがよくわかるような、お話を伺っていますとなかなか難しいところがあるのかなというふうに思いますが、
地方自治法第244条第2項は「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」と規定しているわけで、住民の公の施設の
利用権を保障しているわけですよね。今までの議論を聞いていると、狭義の意味では
ホールとか集会学習室については
利用権が発生していると。でも、
情報コーナーは不特定多数だから
利用権はないと。これは狭義の意味でその有無についておっしゃっているようですけれども、広義の意味では
利用権というのは当然のことながら発生するわけで、こういう点についてはどういう解釈をしていらっしゃるんでしょうか。
63 【西川総務課長】 まず、
利用権のことですけれども、今、
自治法第244条第2項ですか、この条項で、結局は、公の施設の設置者がそれを利用させるために条例で定めなければいけませんよと、そこがまずあります。今回、条例にはこの
情報コーナーというものが位置づけがなかったと。そこを押さえて
利用権の審議をしているものです。
それから、
処分庁はもちろん
指定管理者であります。それで、
教育委員会の指示ということですけれども、これはもともと
指定管理者以前に、まず
教育委員会に
管理権があるわけですね。それで
指定管理者導入に伴って
指定管理者に
管理権を付与している。その両者の関係は、管理協定に基づいてそれぞれの役割分担がございます。その管理協定の中で
教育委員会も当然指導・監督の立場を持っていますので、そういった点では
教育委員会は
処分庁に対する指導・監督権限というものを発揮しているということもあり得ます。そういったことも確認をしております。
64 【白石委員】
利用権の件なんですけれど、そうすると、先ほど富田委員の質疑の中でも富田委員もおっしゃっていましたけれども、
利用権が、条例に基づいていないということであれば
利用権がなしと。そういうことであれば手続は要らないのではないかというのは、広義の意味で、公の施設自体に──法の244条第2項というのは、住民の公の施設の
利用権を保障するということについては、これは狭義の意味だけではないというふうに私は理解しているんですね。施設全体についての
利用権を認めているものであって、そういう意味では、もちろん細かいところでいけば条例の規定はないと。だから、条例から外れているエリアだということについて、そうおっしゃっていることはわかるんですが、そうすると、やっぱりそこについての管理規定というか、一定の判断が下せるというところは、一体何を基準にしてやっているのかということが1つ。
それから、もう1つは、管理協定があるというふうにおっしゃったので、それでは管理協定を出してください。管理協定があるということなので、ちょっと目を通させていただきたいんですが、
委員長においてお取り計らいのほどよろしくお願いいたします。
65 【
細谷委員長】 暫時休憩します。
午前11時01分休憩
午前11時01分開議
66 【
細谷委員長】 再開いたします。
管理協定の書類は提出できますか。
67 【
馬場市長】 提出させていただきます。
68 【
細谷委員長】 それでは、暫時休憩いたします。
午前11時02分休憩
午前11時02分開議
69 【
細谷委員長】 再開いたします。
70 【白石委員】 今、渡されたばかりで、全部に目を通す時間はないんですが、どこの部分に書いてありますか。
71 【西川総務課長】 資料の第9条、第10条をごらんいただきたいと思います。そこに甲・乙という表示になってございますけれども、それぞれの役割分担がそこに記されていると思いますので、ごらんいただければと思います。
72 【白石委員】 そうすると、これは具体的には、今さっとみたところですけれども、甲というのは
教育委員会であって、その
教育委員会が
不服申立てに対する決定をするということ、そこにかかるわけですか。
73 【西川総務課長】 まず、9条の部分がございますが、9条の(2)に「施設の利用の承認等に関する業務」というのがございます。それからあと、(4)は「その他、甲及び乙が狭義のうえ必要と認める業務」というのがあります。それから、10条の(2)に「
不服申立てに関する決定」ということがございます。
審査庁は、この条項に基づいての判断をいたしております。
それから、先ほど委員がお触れになった部分ですが、また繰り返しになるかもしれませんが、一つの建物の中の
利用権、これは当然、一つの建物の中に私どもは区分を認識しまして、
ホールとか集会室、これが
自治法の集会の利用に供する施設というふうにとらえています。一方で、壁とか
情報コーナーについては明文規定もないし、また、そういった部分については集会の用に供するものではないと。ですから、そこは適切な
指定管理者──今回は
指定管理者ですけれども、管理者の裁量による管理区分であると、こういったような考え方を持ちました。
74 【白石委員】 それはでも、逆に言えば、そこに主体的にかかわるほうについての
利用権というか、それに対して
情報コーナーというのは、一定のお知らせや何かをお願いして、配布物を置かせていただくわけですから、それについて管理についてはもちろん一定の裁量権は与えられていると。そこに今回はひっかかったから
教育委員会のほうに一応指示を仰いで、こういった流れの中でやったということになりますよね。ただ、もう一方は、憲法については、国民主権ということもありますし、また、表現の自由という当然のこともありますし、そういった規定というのがありますよね。そういう意味では、情報の取捨選択というのは、一定の提出物というか、配布物を持ってくる方のほうにつきましては、これは思想信条の自由、表現の自由ということもありますし、それと同時に、それを持っていくほうの一般市民の側につきましては、やはり情報の取捨選択というのが当然のことながら権利としてありますし、情報公開法でもありますけれども、知る権利もある。なおかつ、教育基本法なんかには学習権というものもあります。生涯
学習センターは社会教育法を外してしまったという経緯はありますけれども、基本的には教育基本法と生涯学習に関する法ですか、あちらのほうの規定によってあるところであって、必ずしも全く目的にかなっていない内容物であるにもかかわらず──この内容のほうには入りませんけれども、人間が社会的な活動をしていくときに一定の情報を得ていくときにやはり政治に関するものというのは暮らしにまつわるわけですから、そういう意味ではやはり一定の情報収集というのはしたいというふうに考えるわけですよね。そういうところで判断をこういった形でしてしまっていいものかどうかということが1つあります。まずそこのところについて。
75 【西川総務課長】 今の件については、主に
教育委員会といいますか、そちら側の判断ということになろうかと思います。私どもも、繰り返しになりますけれども、先ほど来申し上げておりましたように管理協定、それからさらに管理協定に付随する管理運営マニュアルというのもございまして、そういった中で、今回、
処分庁(
指定管理者)がみずからの適正な管理の一環として
管理権の行使をしたものだと、このような見解を持っております。
76 【白石委員】
管理権の中でそれは判断がされるものだということでおっしゃっているわけですね。だけど、一方では、私はさっき申し上げましたけれども、基本的にはやはり国民の、配布物をつくるほうにつきましては表現の自由と。ここのところでは教示の不存在というのもありますけれども、これは一種の後出しジャンケンみたいなものであって、私はこれ自体はちょっと理由としては当たらないなというふうに思います。
それと同時に、そちらの側で、何でもかんでも置いてもいいというわけではないとは思いますけれども、実際にやっぱりどこを判断基準にしていくのかというのは非常に難しい問題があると思います。それと、先ほどもちょっと言いましたけれど、政治というのは暮らしにまつわるものであって、非常に広義の意味では本当にすべてのものがほとんどその中に入ってしまうと。そして同時に、やはり政治にかかわるような学習権というのは、まさに私たちが生きていく、市民が生きていくときに本当に大切な情報の──さまざまな情報をいろんなところから入れてくるわけですから、そういった意味での取捨選択権というものについて、私はやはり恣意的な形での判断というのは非常に警戒しなければいけないなというふうに思います。
77 【西川総務課長】 今の件ですけれども、ちょっと一般的な話にもなりますけれども、1つは、公の施設の設置目的、その設置目的がそれぞれございますので、当然その設置目的に照らしてということがございます。それからもう1つは、至極一般的な話としては、行政一般に窓口業務等がございまして、例えば広報の掲載の規定でありますとか、それから今回の件でありますとか、あるいは後援名義の関係でありますとか、これらについても一般的な話として政治とか宗教とか、あるいは営利とか、そういったものについてはその管理の裁量権の中で私ども日常的に審査をさせていただいています。ですから、そういう意味でも、今回の
管理権の行使については私どもは妥当と判断しております。
78 【
細谷委員長】 まとめてください。
79 【白石委員】 もう終わろうと思ったんですけれど、今ちょっと御答弁をいただきましたので、逆に言いたいと思いました。やはりここの公の施設というものが生涯
学習センターですよね。ここで生涯学習というものが一体何を意味しているのかというのは、単なる文化活動だけではなくて、広義な意味での学習活動だというふうに思いますし、また、そういった意味の情報の収集だと思うんですね。政治、宗教というふうに一般的に言われますけれども、そこのボーダーの引き方というのは非常に難しくて、そこに逆に言えば恣意が働くことも可能性としては考えられます。そういった意味では、私はやっぱり今の御答弁についてはちょっと異議があります。
80 【
上田委員】 基本的なことを何点か自分の見解も含めて質問したいと思いますので、正しいのか、間違っているのか、教えていただければそれでよろしいと思います。
まず1点目、
情報コーナーの位置づけはわかりました。オープンスペースでだれでも利用できるということでね。それで、ずっとやりとりを聞いていますと、この諮問にも書いてありますけれども、「『
情報コーナー』の
利用権について」と、こういうふうに書いてあるんですね。利用することができるということと
利用権があるということは、別ではないですか。先ほど白石委員が、
地方自治法第244条第2項ですか、「
普通地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」と、この条文を読み上げたときに、住民は
利用権があると、こう言いました。
利用権ないでしょう。そこが行政法上の大きな問題。要するに、公物の利用というものに対する基本的な認識の違いから、どうも憲法第21条の話に入ってみたり、出てみたりという話になっているのかなと思うんですけれども、まず1点目、利用することができるということと
利用権があるということは、同じことなのか。私は、
情報コーナーは利用することができるということであって、
利用権があるということではないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
それから2点目は、
指定管理者を
処分庁と、こういうふうに位置づけていますよね。これは法的な根拠は、当然、条例設置によって
指定管理者が明定され、明記されていますので、
処分庁としての法的な位置づけ、根拠はあるというふうに理解していますけれども、いかがかということであります。これが2点目。
3点目、先ほど富田委員が、裁量権を現場が認めているのにと、こういう発言がありました。現場が裁量権を認めているのにという話であります。そこで、おそらく、これは推測も含めての話ですので、間違っていれば指摘していただいて結構なんですが、
指定管理者、法的根拠を持つ
処分庁である
指定管理者は、公の施設の設置目的及び条例に見合わせて裁量権を発揮して棄却という処分に至ったと、こういうふうに理解してよろしいのかどうか。
4点目、先ほど、
処分庁の棄却と
審査庁の却下、この違いはどうなのかと、こういう質問がありました。
処分庁の棄却というのは、今言ったように公の施設の設置目的及び条例に見合わせて裁量権を発揮して判断することをもって棄却ということであれば、その棄却した内容に対して
審査庁は、結果として、結果としてですよ、
処分庁の棄却、すなわち裁量権の問題を認めているというふうに判断するが、それはいかがかと。「処分」に該当しないというのはまさにそういうことなのかなという広義の意味で理解しているつもりですが、以上4点、いかがでしょうか。
81 【西川総務課長】 まず1番から3番までについては、そのとおりであります。
それから、4番なんですが、大変恐縮なんですが、もう一度お願いできますでしょうか。
82 【
上田委員】 先ほど
桜木委員とのやりとりで、
処分庁の棄却、それから
審査庁の却下で、棄却と却下は同じ
処分性という意味では同じではないのかという、あるいは「処分」の中の範疇に入るのではないかと、こういう話がありました。そこで、この諮問の内容を見てみますと、却下に至った
審査庁の判断の根拠というのは、要するに
処分庁の棄却、すなわち富田委員が言うところの「現場が認めている裁量権」というものを含めて
審査庁として認めた、したがって、そのことに対する
処分性は該当しないという判断をもって却下というふうに至ったのかなというふうに理解したんですが、その辺はいかがでしょうかというのが質問の趣旨です。
83 【西川総務課長】 裁量権というお言葉の部分なんですが、
審査庁が裁量権を用いた部分は、一つの建物の中で条例で規定されているもの以外の部分について、管理者として適切な管理を行なうために裁量権を行使したものと、そのような見解でありますので、若干ニュアンスが違うのかなというふうに思います。
84 【
上田委員】 そのことと棄却と却下とはつながるの、つながらないのということなんですけれども、わかりました。それは答弁いただきたいと思いますが、時間の関係もありますので、あんまり長くやるつもりはありません。
いずれにしましても、裁量権という問題が今出ましたけれども、
指定管理者制度を今後醸成していかなければいけないという行政側の基本スタンスに立てば、すべて条例に細かくうたうということも、それはもう不可能でしょうから、先ほど私が言いましたように、公の施設の設置の目的は十分理解しているから条例設置ができているわけであって、具体的にはまた条例でうたっているわけでありますから、それに沿った判断ということであれば、それはそれとして認めていきますよという方向でないと、
指定管理者制度そのものが生きてこないのではないかなという判断をしているものですから、棄却と却下の質問に至ったわけですけれども、いかがでしょうか。
85 【
小山企画経営室長】 私ども
審査庁としてはあくまでも却下という判断をいたしております。
処分庁は、先ほど
上田委員も触れられておりましたが、
利用権の問題からすれば当然条例で定めていると。それ以外はある意味、公の施設内のオープンスペース、これは不特定多数の方が利用できるということでは、そこの部分については当然管理者の裁量権を認めているという判断でございます。
86 【
上田委員】 はい、わかりました。そもそもに戻って話を終わりにしますけれど、そもそもは、先ほども私申し上げましたように、利用することができるということと
利用権があるということは全く違うということの認識に立たないと、今の行政側の答弁を了とすることはなかなかできないと思いますが、私は行政側の答弁を了といたします。
87 【
細谷委員長】 これで質疑を終結いたします。
次に、諮問第1号について討論に入ります。討論のある方──
討論省略と認めます。
これより採決いたします。
諮問第1号
地方自治法第244条の4の規定に基づく
審査請求に関する諮問については、諮問第1号に付された市長の
審査請求に関する見解のとおり、
本件審査請求を却下と裁決することが相当である旨答申すべきものと決することに賛成の方の挙手を求めます──挙手少数であります。
よって、諮問第1号はただいま申し上げたとおり答申すべきものと決することは否決されました。
〔賛成少数〕
────────────── ◇ ───────────────
88 【
細谷委員長】 次に、23請願第10号 TPPの参加に反対する意見書提出を求める請願を議題といたします。
本請願は関係
行政庁に意見書の提出を求める内容でありますので、この取り扱いについて各委員の意見を求めます。
89 【
桜木委員】 既にTPPへの参加に反対する意見書提出を求める請願については紹介議員にもなっておりますし、意見書を上げるべきだというふうに思います。
平成の開国と称してTPPに参加するということは、私の社民党の阿部政審会長が予算
委員会で「アメリカとの約束ではないか」というような発言、質問もしたときもありましたが、いずれにせよ、今、菅 首相はこのところちょっと対米追従し過ぎではないのかなというふうに私は懸念申し上げます。したがって、交渉に参加をするということは、いずれその協議に参加して内容に参加していくと、こういう懸念を申し上げます。
23請願第10号に書いてあるとおりに、いろいろ心配の我が国の食糧をどうしていくのかということについては、自給率を上げていかなければいけないという課題もありますけれども、ちょっと時間もありますので余談の話になりますけれど、私の母方は新潟なんですね。新潟は減反政策を強いてきているんですが、その減反政策とはいいながらも、米が余ってしまったら、余った米は米倉に置いておいて、新米というふうに称しながらも、時々、新米の中に古米を突っ込んだり、減反だといいながら米を余らしていて、余るけれども、実際に米はつくらなければいけない、どうなっているんだというので、やっぱり今、米農家も大変だというふうに聞きます。いずれにせよ、関税を廃止していけば日本の農業だめになってしまうのではないかなと私も心配しますので、本請願のとおり意見書を出すべきだと思います。
90 【富田委員】 私は本請願に反対の立場から意見を表明いたします。
高橋洋一嘉悦大学教授は、「海外生産者の利得は貿易自由化によって初めて得ることができる。貿易自由化は相互主義なので、ある農産品では日本は輸入するということになるが、ある工業品では日本は輸出の立場になる。そうなれば、農産品の海外生産者と同様に輸出者として利得を得ることができる。以上のことから、国内消費者、国内生産者、それに海外輸出者のすべてのメリットを合算すれば、日本にとってメリットになり、そのメリットを国内で再分配することによってだれも損しない状況をつくることができる」。これは高橋教授の意見で、私も、当然、農業部門について影響が出るんだろうというふうに思ってはいるんですが、1957年の戦後初の「農林白書」によると、1957年(昭和32年)の時点で、日本の農業の問題点として、農家所得の低さ、食糧供給力の弱さ、国際競争力の低さ、兼業化の進行、農業就業構造の劣弱化の5つの赤信号を指摘したと。このうち農家所得の低さについては、皮肉にもというんでしょうか、兼業化の進行で改善されたということなんですね。それ以外については改善されずに赤信号を抱えたままになっているんだと。こういうことからすると、日本の農政自体、TPPの参加の是非以前に構造改革が求められるということは言えるというふうに思います。
早稲田大学教授の浦田さんという方の御意見では、期間限定の所得補償と構造改革──これは農業の部分ですね、農産物輸出拡大が必要であると。先端技術を使う日本の農業は国際的な競争力を十分持っているというふうに語っております。つまり、貿易自由化によって農業が大打撃を受けるだけではないんだよと。国際競争力、十分持っているんだということで、それを裏づけるものとしては、2010年の農林水産研究成果10大トピックスでは、米粉100%パンの製造技術だとか、電磁波殺菌とナノミストによる高鮮度輸送技術などの開発が紹介されているということで、日本農業技術は高いレベルにあるということは、調べた限りでは各方面で言われていることであります。日本は貿易立国として戦後発展をしてきたということを考えれば、今後、人口減少社会で内需拡大があまり期待できない中では、日本の特徴を生かしてTPPに参加していくということは、私は避けられないというふうに思っております。
以上のことから請願には反対であります。
91 【白石委員】 紹介議員にもなっておりますし、本請願については賛成し、意見書を関係省庁のほうに提出するべきだというふうに思っています。
日本の場合の農産物の関税率の関係なんですけれども、これは確かにアメリカとかEUに比べると21.0%と比較的高いほうだというふうには思いますが、ただ、全品目からすると4.9%、そしてさらに、国内の約1800品目のうち無関税の品目というのが飼料用のトウモロコシですとかたばこ、そういった形で約400品目については無関税という状態なんですね。それと同時に、輸入総額についても4割強を占めるという状況でもあります。こちらのほうにも書いてございますけれども、実際のところ、
食料自給率の問題というのはすごく大事なことであって、2009年の数字でいけばカロリーベースで40%ということで、私は、何かあったときに日本という国はどうなるんだろうということで大変危惧しております。
それだけではなく、今回のTPPの問題に関しましては、医療分野ですとか、あるいは食品関係の安全性の問題ですとか、あるいは建設業界に関するところですとか、さまざまな分野での危惧というものが示されております。そういう意味では、競争に勝ちたいというか、そういう御意向はあるのかもしれませんけれども、私自身はやはりこれからの日本をどうつくっていくのかということを改めて見直す意味でもTPPについては反対をし、本意見書提出に賛成をいたします。
92 【
細谷委員長】 ほかに意見のある方──よろしいですか。
これより採決いたします。23請願第10号 TPPの参加に反対する意見書提出を求める請願を採択し、意見書を提出すべきものと決することに賛成の方の挙手を求めます──挙手多数であります。
よって、23請願第10号は採択し、意見書を提出すべきものと決しました。
意見書の提出については正副
委員長にお任せください。
〔賛成多数〕
────────────── ◇ ───────────────
93 【
細谷委員長】 次に、平成22年第4回定例会より閉会中の
継続審査となっております
議員提出議案第3号
東久留米市における
法令遵守の推進等に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
これより
議員提出議案第3号に対する質疑を行ないます。質疑のある方──質疑なしと認めます。
次に討論に入ります。討論のある方。
94 【
上田委員】 ここで継続の動議を提出させていただきたいと思います。といいますのは、この
法令遵守の推進に関する内容でありますが、他市の状況もかんがみながら、内容についてはさらに精査をする必要があると。そういうことから、
継続審査されたいとの動議を提出したいと思います。
95 【
細谷委員長】 ただいま
上田委員から、
議員提出議案第3号については
継続審査されたいとの動議が提出されました。
本動議を先議いたします。
本動議に対して意見がございますか。
96 【富田委員】 私、前回も前々回も申し述べているとおり、今、透明化が求められていますから、こういうことは進めていくべきだという観点から、継続ではなく採択すべきと主張いたします。
97 【
細谷委員長】 ほかに意見はございますか──それでは、お諮りいたします。
議員提出議案第3号については、ただいまの動議のとおり
継続審査と決することに賛成の方の挙手を求めます──挙手多数であります。
よって、
議員提出議案第3号は
継続審査と決しました。
〔賛成多数〕
────────────── ◇ ───────────────
98 【
細谷委員長】 以上をもって
総務委員会はすべての審査が終了いたしましたので、閉会いたします。
午前11時32分閉会
総務
委員長 細 谷 祥 子
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